あまりの美しさとその制作過程に心奪われた名古屋帯です。
美術工芸啓が作る帯は、モダンさと、生引き糸の持つ艶感、輝きの美しさが特徴なのですが、なかでも、こちらの帯は、あまりの美しさと、それを支える制作工程のこだわりに、心奪われます。
 
また、これまで袋帯のみであったこちらのモダンな文様の希少品を、名古屋帯で今回は初めて織られたことも魅力の一つと言えます。
袋帯と比べると、お値段も抑えられ、また、袋帯と比べてもう少し気軽にお締めいただけるのも魅力です。
簡単な訪問着や附下、色無地などにお締めいただけます。入学式や卒業式はもちろん、少し改まったお席など。
 
直接、啓の社長からこだわりをたくさんお聞きし、最後に「文化度の高い方に必ず分かって下さる帯かと思います」とお話されていたことが印象的でした。
 
モダンな印象、お着物に合わせやすく、とても奥ゆかしい艶感、輝きが、他の帯とはどこか違う。 という表面的な美しさはもちろんのこと。
 
 その背景にある、こだわってこだわって作られた帯であるという背景を知ってお締めいただくことは、素敵だけでない、文化に深くつながり、より奥深い装いとして心に刻まれることと思います。
資料もたくさんいただきました。その資料もお渡しさせていただきます。
 
そんな背景を少しくどいかもしれませんが（笑）、ご興味がありましたら、お読みなってみていただけたらと存じます。
 
①【純国産糸】
啓の帯と言えば「生引き糸」で有名なのですが、これまでは、ブラタク社というブラジルの糸の「生引き糸」を用いていましたが、こちらは、愛媛県国内産「あけぼの種」の伊予生糸。しかも春繭のみを使用し、通常繭に行われる熱乾燥処理をしないことで、タンパク質を損なわず、丁寧に糸を作る「生引き糸」を使用。
京都の地下水で、精練をし、オーガニックオイルで仕上げることで、 ふんわりと柔らかく、はりとコシ、そして、艶のある美しい輝きを放ちます。
 
 
②【押し本漆本金箔】
安価な化学繊維の箔糸が主流となるなか、土佐和紙に本漆で金沢の本金箔を一枚一枚手作業で丁寧に押し上げてはったものを使用。これは、古来から伝わる本金箔で、現在使用する機屋さんは少ないのが現状です。箔の優しい色目もご覧いただきたいです。
 
 
③【阿波　天然灰汁発酵建て藍染め】
徳島県上板町にて、無農薬栽培の蓼藍から、細部にいたわるこだわりの天然灰汁発酵建て藍 。蓼藍は、雑草を山羊に食べさせて除草し、蜘蛛の巣を利用して害虫から守り、隣接養豚農家さんとバイオ発酵の豚の排泄物を肥料に循環型の農法を確立されているとか。藍甕も木製樽にこだわり、電熱で無理に保温せず微生物と向き合いながら発酵を促し、深い藍色を染めます。吉野川の地下伏流水を活かし、水中の酸素を利用して発色させることで染めムラの少ない発色を実現。
 
そして、帯の中にある美しい水色。女性の大好きなお色ではないでしょうか。 こういう美しい水色は、ムラになりやすくまた堅牢度の問題から、本藍染では実現できなかったお色でしたが、このお色をどうにか使えないかと試行錯誤した結果で実現できたお色。
オーガニックソープにて糸の表面上の藍染料を絹糸が痛まないように２０回ソーピング（とことん手洗い）をすることで、色落ちを防ぎ、堅牢度をあげた状態で、この美しいお色が実現しました。
 
＊＊＊
 
啓の社長からたくさんの資料をいただいています。こちらもお渡しさせていただきます。
モダンで美しい帯の背景事、大切な場面でお締めいただけたら、と願っております。
 
繭本来の魅力が宿る国産生引き糸の光沢感、艶感の中に、藍染の濃淡、そして、箔糸の美しさが、モダンに響きあう美しい名古屋帯です。
 
お持ちの着物に合う、合わないなど、お写真を送っていただき、お話させていただいております。お気軽にどうぞ。
ライン、メール、お電話にて、お話をお聞きしながらお求めいただけます。お気軽にどうぞ。また、お値段もお気軽にお聞きくださいませ。