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  • 執筆者の写真佐々木呉服

不祝儀用の色無地のこと

ちょうど今、色無地をいくつかご準備させて頂いていることもあり、ちょうど良い機会なので色無地について思うところを書いてみようと思います。


まずは、当店の色無地を、2つあげてみました。

不祝儀用として使うのは、それぞれ〇?×?どちらだと思われますか?


 

答えは、少し待って下さいね。

どうしてこんな記事を書こうと思ったかというと、


時折、


派手な色だったり、ラメ入りの色無地とか。。

おみかけするんです。お手入れでお預かりすることもあります。


それとなしにお聞きすれば

「お通夜用にも、街着としても着られるからと言われて買ったんです。」

「普段用の着物だけど、お通夜にも着られますから買っておいて損はないですと強くすすめられて断れなかった・・・」とか💦



たしかに、そういうグレーゾーン。どちらにもいけるものもありますが、


明らかに、ラメ入りは、、どうでしょうか。。。


 

ちなみに、不祝儀用の色無地は、一つ紋を入れ、色喪服とも呼ばれます。

こちら福井では、お通夜のとき、法事のときに使われます。

 


もし、派手なお色ものものでも、

ご家族が自分のために誂えてくれた色無地なら、そのままお使いいただくのが一番だと思えます。また時代によっては、寒色でも目がさめるような派手な色を着ていた時代もあるようですから。



これからご準備されるという方のために、参考になれば~との思いで綴ることにしました。



時代は変わっても、不祝儀のときの悲しみは変わりません。

一番は、誰が見てもです。それが一番間違いないように感じます。


 

だから着物は難しい?


いいえ。お洋服でも同じです。


アクセサリーは?鞄は?くつは?肌を露出させすぎないように。


人生の一番繊細で敏感になるとき。それは、着物もお洋服も同じに思えます。



では写真で見ていきましょう!

 

◎不祝儀用の色無地は、基本、地味な色の寒色系。地紋があっても良いのですが、おめでたい吉祥柄の地紋は避けます。

 


まずは、こちら。

どう思われますか?


お色は、なんと表現すればいいか。

ピンクよりの藤色といいますか・・・。

地紋が見えます。


答えは

「×」なんです。


もともと不祝儀用として作っていない色無地になります。



〇お茶会などの色無地を・・と言われると

お見せするものになります。

「不祝儀用にも使えますか?」と聞かれたら、「使えません」になります。

〇不祝儀用の色無地を・・と言われたときにはお見せしない色無地になります。




〇なんでダメ?


反物をアップしてみました。

お写真からもキラキラしていることが伝わりますか?プつぷつと金糸が織り込まれているのです。


そしてお色。

色として絶対間違っているわけではありませんが、ピンクよりの藤色系。暖色系になり、不祝儀としては向かない色となります。


そして地紋は、さや型で永遠を意味します。吉祥文様になります。


 

こちらは分かりやすいです。

濃いグレーの色無地。地紋なしです。


こちらは、当然〇。


不祝儀用として染められた色無地です。


色無地も、


刷毛染め なのか 焚き染め なのか。

そして、

生地質によりお値段がかわってきますので、

ねほりはほり聞いてみましょう。(笑)








 

突然のことで、あわてふためくとき。

結婚のときに持たされたタンスをのぞけば、


きちんとそろっているではないか・・。


揃えて持たせてくれたご家族の愛情を

ひしひしと感じる瞬間です。


「揃えておいてくれたんだ~。ありがとうって思いました」なんてお言葉もお聞きします。

 

根底にながれる精神に耳を傾ける


ほかにも、襦袢の柄は、これでも良いのか??など、

実際は、表に見えるものではありませんが。。


合理性を重んじれば、面倒で不要かもしれません。

けれど、

やおろずの神といわれるように、自然を敬い祀り、日々の身近な暮らしの中、目に見えない何かを畏れ敬ってきたそんな精神は、不祝儀のもしものときのご準備の根底を閑かに流れているように思えます。


そこに耳を傾けようとするか否か。


 

◎不祝儀用の着物のことで相談する→℡0776-22-4124

◎メールでのお問合せはこちら


日々着物専門店 呉服の佐々木(ホテルフジタ福井1F)            












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