言わずと知れた奄美大島紬。　可愛らしい梅が絣で形作られ、おおよそ３０センチ間隔でとんでいます。
大島がいかにすばらしいかは、語るまでもないと思いますので、こちらでは語りませんが、泥で染めることで、とろっとしていて、艶やかな肌さわりは、本場大島ならではです。
それっぽく見せた大島紬もありますが、泥染めかどうかは、証紙を見るまでもなく、触れば違いはやっぱり明白です。また、鉄分豊富な泥で染めることで、漆黒のどこか赤みを感じる深い色合いも、本場泥染めの大島の醍醐味で、地あきであるがために、一層堪能できるとも言えるかもしれません。また、拡大したお写真からは、絣が飛んだりずれることなくきれいに並んでいることが分かります。
 
実際に日々着物を着られるとなると、大島の中でも、地あきのものは、とても使いやすいものです。当店では、これまでにも大島と言えば、地あきのものを多く扱ってきたように思います。
なぜなら、コーディネートの幅、着て行くシチュエーションが広くなるからです。
お写真にのせましたが、ちょっとした附下や附下小紋などにも合うような袋帯も、良く合いますし、またもう一つ合わせたのは結城の名古屋帯。
こんな風にちょっとよそゆき感のある装いから、カジュアル、普段着にまでお使いいただけますので、地あきの大島って、とても重宝するのです。
しかも総絣より地あきのほうが、帯をくっっと、引き立てて、しかも合わせやすいお着物でもありますね。
 
例えば、夜の音楽会など。控えめながらよそゆき感がほしい。でも、付け下げなどでは仰々しい。というときなど。こういう附下より格下、絣絣の紬より格上の場面って、日日の生活の中では意外と多いものです。さりげなく、上質なものを身にまとい、普段着としての紬をよそゆきに傾けてお召しいただくのは、着物が非日常となった今、とても素敵ではないでしょうか。
 
〇お値段はお仕立て代等別になります