大阪のお茶の先生との会話をヒントに「こんなのがあったら良いな」を形にしたお茶向きな「きもの」です。
無地では少し寂しくも感じ、柄があれば、何かと気をつかう。 お茶をされる方が、上品で、使いやすいもの、そして着る喜びのあるものを・・と願い作ったものになります。
〇「霞ぼかし」
文様がパきっと主張することなく、無地場に溶け込むようでありながら、ほんのりとした「見せ場」を作ります。この霞が、すーっ、すーっとあることで、無地とは異なる少しの華やかさと上品さを添えます。
空がぼんやりとして見える様子である「霞」。職人さんの技の光る手染めにて、うっすらと「暈し(ぼかし)」にて、霞を見事に表現してもらいました。暈しにしたことで、文様が前面に出て強い印象にならないよう、絶妙な加減で、雰囲気良く仕上がっています。
この霞ぼかしができる職人さんも少なくなってきたそうで、これから減っていくのかもしれません・・。
ところで、霞は、夜は靄(もや)となり、秋は霧になるという。なんとも繊細な美しい日本語。これからの季節にぴったりなお着物になります。お茶向きと書いておりますが、もちろん、卒業式や入学式などにも、控えめで品格ある装いにお使いいただけますよ。
感覚としては、無地に近いあっさりとした柄付けの附下ですが、格調高くお召しいただけます。
〇「国産糸の絹 松岡姫」ならではの奥ゆかしい発色
柄のない無地場も、どこか奥ゆかし光を纏うような発色。地紋はなく、控えめな印象がまた、お茶向きな潔さが感じられて、好印象です。
地紋がないにも関わらず、単調さを感じさせず、それどころか、どこか風情のある艶感も感じるのは、吟味された素材であるゆえ。
現在、日本で使われている絹糸の殆どが外国産である現状。 使ったのは「松岡姫」。日本を代表する優良な繭「松岡姫」から繰り出される生糸を使用し、経緯100%国産糸で織られた生地の底力を感じます。山形県出羽三山の山麓に広がる地区の繭から生まれ、最高質の細繊度を誇る生糸です。それゆえに、きめの細かさ、しなやかさ、そして、発色の良さなど、美しい色と艶を纏うことができるのです。動画にて上品な無地の艶感が伝わりますでしょうか。
〇「お色」は、 やわらかい緑がかった青。明るい灰みの青み
水浅葱色に近いお色で、お写真と、動画、言葉では言い表せないお色ですが、お求めいただく前には、小さな見本裂にて実際のお色や、素材感などお確かめいただきますので、ご安心してお気軽にお聞きくださいませ。
お茶では、時には、前に出過ぎない。を意識することも多いかもしれません。ですが、やはり、着る愉しみも欲しいものです。そんなときに、着物の質感、お色の発色、ほんのりとした見事な霞。しなやかな質感、着る愉しみを味わいながら、お茶事を楽しんでいただけるお着物になります。
お茶のための着物 霞ぼかし
・お仕立て代「袷」(当店専属の和裁士)¥38,500
・胴裏(日本製16付)¥16,000
・八掛¥22,000
・パールトンご希望により