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  • 執筆者の写真佐々木呉服

振袖の袖はのちに切って訪問着にできますか?佐々木の考え

時折、こんな質問をお受けします。



「振袖の袖を切って、後に訪問着として使えますか?」



そういうお着物もたしかにありますし、こればっかりはお考え次第かもしれませんが、

店主はいつも何とおこたえするか・・。


いただくご質問に対して、どういうお返事が戻ってくるかで、そのお店の考えや店主の大切にしていることが垣間見えるものだと思うので、つい先日もいただいたご質問なのですが、

ご紹介しようと思います。




振袖は、特に本振袖は、振袖用としてのバランスを考えて柄付けがされています。


ですので、袖を切れないわけではないけれど、

バランスが崩れてしまうんです。


と言ったお話をさせて頂いていました。

 


後々、訪問着として袖を切って短くすることを想定して描かれた振袖も、もちろんあるでしょう。ただ、振袖としての柄付けとは異なってくるので、やっぱり、迫力に欠けるのも確か。



それでもという場合は、そのように考えて、お誂えもさせて頂きますが、


基本のスタンスは、やっぱり、振袖用に描かれた図案を、切ってしまうと、バランスが崩れるです。



 

これは、頑固なシミに困ったとき、色を足したり、柄を足すということを、しばしば見聞きしますし、いろんな業者さんから、そんな提案を受けることも多いのですが、


日々着物専門店の佐々木の考えは、こういうときは、

まずは、シミをなくすことにあらゆる方面からアプローチします。


完成品の絵に、後に、勝手にだれかが描き足すということはしませんよね。(笑)。


時代を経た名高い画家さんの絵なんかを思い浮かべていただいても分かりやすいかもしれません。元に戻るよう何とかして修復するものであり、後世の名高い画家が絵を付け足したり、色を変えるなんてことはありません。



最初の完成された世界観。

お客様が気に入って買われた世界観を壊すことなく、お手入れをする。

という考えに通じるかもしれません。



すべてはバランスです。

もちろん、年齢的にお色を変えたい。とか、そういうときは勿論アリです。

一つの考えに固執するのではなく、バランスよく進めていきたいですね。


お客様が、何を大切にされたいか。

そのあたりも、察しながら、ご相談をさせて頂いてます。


お気軽にお問合せ下さいませ。






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