top of page
  • 執筆者の写真佐々木呉服

上品な着物姿であるために考えていること①


お客様の思い描く着物の、もう一つ先のものをお届けしたいと思っている。だから、良いものであるのは、当然で、想いは、その先にいつもある。

ほんの些細に思えるようなことが、着物の着姿の雰囲気を左右するものである。

しかし、些細なことは、売り上げに繋がることではなく、お客様の、分かりづらいところでもあるため、ここまで、するお店は、少ないのではないかと思うが、気になる点があるままで、お客様に納品することが、できない性分である。

「何のことかというと、八掛である。」

■八掛も、手を抜かない。

八掛とは、着物の裾や袖口などについている裏の生地である。

 着たときに、わずかに見えるだけながら、意外と印象を大きく左右し、大事な部分であることは周知のとおりである。

そこで、既製品を使うだけではなく、着物の地色に合わせて、八掛も染める・・ということは、当店では、とても良くあることだが、

 今回は、ちょっと、厄介で、取引先と、色々と試案を繰り返しているもので、折角なので、このことについて、取り上げてみる。


気品のある着物姿のために。八掛にもこだわる。

着物の地色が薄い場合、八掛は、ぼかしを使うのが基本である。

八掛が透けて表から見えないようにである。

 今回お求めいただいた着物は、柄付けや、表のぼかし具合などが、通常の柄付けとは異なっており、通常のぼかしの八掛では、表にひびく。

そこで、色だけでなく、八掛のぼかし方や染め方など、オーダーすることにしたが・・。

 これで、いける!と納得したものの、

 送られてきた図を見ると、新たな問題点に気が付き、また、今、練っているところである。

 着たときの雰囲気や、お客様が、気持ちよく着て頂けるようにと考えると、手を抜けなくなる。

 この写真の図では、ダメなので、今、一度、思案中である。

 いくつか方法があるが、どちらが、より良いか・・。

小さなことながら、一点の曇りもなくお客様にお納めさせていただきたいと思うと、「これで、いいや。」と思えないたちである。お客様からは見えないところの物語・・・。


bottom of page