たくさんの節が、風情を醸し出す「牛首紬」
牛首紬は、その頑丈さで釘抜紬の異名を持つほど。
厚い雪に覆われた石川県白山山麓で織られてきた牛首紬は、紬本来の「野良着」の遺伝子を受け継ぐ丈夫さと言えます。
-①働きものの紬-
たれものの美しい着物が「ここぞ」というときのものなら、働き者に寄り添うのが紬本来の役割。結城紬が軽くてほっこりの王者なら、牛首紬は、どっしりとした丈夫さが魅力の王者。
だから、
毎日のように着物をきて、奮闘されていらっしゃるような方には本当にぴったりだと思うのです。
②後染めの魅力
加藤改石の牛首紬は、白生地になります。ということは、後染めになります。絣で模様を出すような先染めの着物を、普段着として着るのとは異なり、
着物を着ながら、お相手のある立場で奮闘されていらっしゃるような方には、カジュアルになりすぎない染めの牛首紬は重宝されるのではないかと思えます。
ちょうど、いま、日々着物を着てご活躍されていらっしゃる方からのご相談で、お色を選んで頂いているところだったので、
折角だから、オンラインでも、ご紹介させて頂くことにしました。
③色無地の便利さ
白生地の牛首紬を染めるので、頑丈な働き者だけでなく、着られる範囲・格も、意外と広く、色無地は、重宝します。お写真のような少し格のある文様の名古屋帯を合わせて、よそゆきにもなります。
【つや感ー着物姿に合わせてみた写真から伝わる品】
反物をあてているお写真は、かたや、織機の米琉紬。かたや昔ながらの手法、手織りの牛首紬。同じ紬でも、光沢感、身に添うしなやかさから生じる品の違いが伝わりますでしょうか。
【手織り牛首紬の付け下げ・訪問着もございますので、どうぞ、お問合せ下さい】
④お色選びのすすめ方
〇手織り牛首紬の生地に染められた色見本をいくつか送りさせていただきます。
〇お写真のお色の番号でお選びいただくわけではありません。
ご参考になればと、色々とお写真のせてみました。
(※生地質により、色が変わってくるので、同じ手織り牛首紬の色見本で選ぶことが大切なんです)
〇現在も、県外のお客様とのやりとりをさせて頂いてます。どうぞ、距離に関係なくご相談いただければと存じます。
当店は、ネット販売で、ぽちっと買う。というよりは、距離が離れていても、ご連絡を重ねながら、ご相談しながら、進めていくSTYLEです。
⑤最後に 手織り 牛首紬 加藤改石
牛首紬には、手織りと織機があります。まずは、どちらなのかをはっきりと知ることが大切です。
現在、牛首紬は、2社のみで織られているのですが、
このうちの1社である加藤改石は、昔ながらの手法のため生産数に限りがあります。詳しいことは、お問合せ頂ければと存じますが、当店は、この加藤手織り牛首紬のもののみを扱っています。
お誂えします。「手織り」牛首紬色無地 お好みの色に
現在、牛首紬は2社の織元があります。そのうちの1社。加藤手織り牛首つむぎは、昔ながらの手法で手織りの白生地を作っています。大変な手間がかかるため、年間の生産数が少ないことでも知られます。
当店は、こちらのもののみのご紹介となります。
玉繭を横糸100%使用
牛首紬の特徴とは、たくさんの節がたっぷりあることです。分かりやすいようにお写真を何枚か載せました。この節がたくさんあるのは、玉繭の糸を、よこ糸すべて100%使っているからでもあります。玉繭とは、2頭以上で繭を作ります。この玉繭を100%横糸に使うことで、たっぷりの節の風情や頑丈さにつながっていきます。
しかも、使用される糸一本が、太いのも特徴の一つ。
手織りの牛首紬の糸から頑丈なんです。
・経糸 単繭約80個で1本の糸をひいたものを100%使用
・よこ糸 玉繭約60コで1本の糸をひいたものを100%使用
だから、一本の糸が太くなり、しかも手引きのため伸縮性に富んだ糸となります。そして、熟練の職人さんにより織られることで更に丈夫な布が誕生します。