何てことない名古屋帯に見えますが、
じっと見るとその味わいが感じられてきます。
日本文化は読み取る文化と言われます。
お茶の世界だけでなく、着物の世界もそうで、
名のある作家さんとは異なり、表にでることのない職人さんによるものも、また、すばらしいものがあります。
ただ、一般のかたには、きっと、とても分かりづらい。それでもなお、大切に伝えていきたいと思うのです。
ー「雪晒し」「紙布」八寸 名古屋帯ー
ぱっと分かりやすいものとは異なる「鄙の世界感」
それは、江戸時代後期、きらびやかな世界を堪能したのちの茶人や俳人の間で「紙の衣」が広まったところからも感じ取られます。
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01【まずは、雪晒しのこと】
雪解けの季節。晴れ間が出るたびに繰り返されるそうですが、
和紙の原料である楮を、雪にさらすことで、漂白とさらに強度が生じます。
これは、雪がとけるときにオゾンが生まれ、汚れや糊などをとる、天然の「漂白作用」とも言われます。
天然の漂白だけに、糸にも優しいお色味で、生成り色ですが、
絹の生成り色よりも、優しい白味を感じるお色です。
染めていない自然のお色をお愉しみいただけます。
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02【実は、深い歴史のある・・】
「紙の衣」の歴史は古く、平安時代から、僧侶の間で広まったそうです。そして、戦国の武将が、夜寒をしのぐために用いたと言うほど、実は丈夫で温かく、軽かったのです。
そして、江戸後期には、俳人や茶人、武士など、風流を愛する人々の間に広まり、絹の光沢に飽きた人々の心をとらえたとお聞きします。
煌びやかなおしゃれをし尽くした後の一つの到達点として紙布の世界があったのです。
松尾芭蕉も、奥の細道に紙子(紙を平面のままよく揉んで衣類に仕立てたもの)をもって出かけ、
「紙子一衣は世の防ぎ・・」と詠んでいます。
03【諸紙布とは】
諸紙布(もろシフ)とは、経糸も緯糸も両方とも紙糸を用いているという意味で「もろ」と呼ばれます。諸でない通常の紙布は、経糸に絹や綿、麻などの交織になります。
04【紙布のこと】ー手漉き和紙糸
糸は、和紙の原料である楮の皮をすいて作った手漉きの和紙を、2,3mmで裁断し、一本の長い糸にし、それに縒りをかけてつくられた紙糸を用いています。
その紙糸を織ったものを紙布と言います。
100%手漉きの紙糸は、実はとても丈夫なんです。
繊維同士が絡み合い、その中に、たくさんの空気が含まれるため、あたたかくて、軽くなるのです。
05【コーディネート】
3シーズン:真夏以外の 春・秋・冬にお使いいただけますので、とても重宝される帯になります。
8寸の帯ですが、柔らかいので、お好みによりますが、芯を入れてお仕立てすることをおすすめしています。(芯はお好みよって固さを変えていきます)
紬だけでなく、たれものの色無地などにも合わせて頂けますよ。
素材感を味わいつつも、民芸調のものとは異なり、モダンさもあり、合わせやすいお品になります。
【お値段】
お仕立て代・芯代は別になります。お仕立ての仕方や選んでいただく芯によりお値段が変わって参りますので、お手数でございますが、お問合せくださいませ。
送料は無料です。
【お問合せ】
ラインやメールからお問合せいただき、やり取りを重ねてから、お求め頂く方が多いです。
当店は、ぽちっと買っていただくというよりも、お話をお聞きしながらが当店らしさです。お気兼ねなくお聞きくださいませ
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