素材感重視の「薄物コート」紋紗地
日差しが強くなってくると薄物の塵除けコートの季節です。出来れば、帯付きで歩くよりも、一枚羽織っていると、感じが良く、日々着物を着られる方にとっては、気になるアイテムの一つです。
(決して必ず必要なものではありませんが、薄物コートの必要性について、お色違いの商品【素材感重視が作る品格の「薄物コート」墨色地】のページにて、綴っていますので、そちらもご覧なってみてくださいませ。)
【素材感重視が伝わる上品さ】
さて。薄物コートと言っても色々な素材があります。
素材の選び方で、カジュアル寄りになったり、また、改まった雰囲気寄りになったりします。例えば、良くお見掛けするレースやモダンな地紋のものは、可愛いのですが、カジュアルな雰囲気に傾きます。
今回お作りした薄物コートは、カジュアルにも、お茶会などのような改まったお着物にも合わせやすいのが、魅力の一つです。
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そして何と言っても、この「張りのある」素材感。
色々なメーカーで薄物の生地を見てきた店主が、この生地は、どのメーカーで見るものとも、張り感が違うと断言する白生地と出会いました。
薄物は、生地が薄くなりますので、どうしても、着るにつれ、クタクタとよれてくるものが多いのも事実。それらをどうにかしたいと織り上げられた張りのある紋紗地でした。
このテンション(張り感)で織ることは難しくて、もうしばらく作れないかも・・と言われたものになります。
とはいえ、こちらの生地も、着続ければ、少しずつ張り感は失われていくことと思いますが、それでも、よれよれ、くたくたっとしたほどにはなりません。
汗をかく季節。張り感のある姿は、涼しげにもつながりますね。
【ぼかし染めが作る 上品さと使いやすさ】
暈し染めの良さ・・・
染めは、手描きの振袖や訪問着を手掛ける最高峰ともいえるメーカーにお願いしました。長いお付き合いになりますが、手描きで文様を描いてもらうと、上品なのですが、お値段がぐんと高くなり、下に着る着物との相性も生じてきます。だからと言って、無地では寂しい・・・。
素材感重視の生地を「暈し」で染めることで、高尚な雰囲気になり、また、
羽織ってみれば、薄い地色ながらも艶感もあり、品のあるやさしい雰囲気に。
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【お色】
お色は、裾に行くにつれ濃い地にすることで、「まとまり」のある姿にしました。お顔まわりは、明るく、涼しくなるように薄地色で。
お顔回りのお色は、亜麻色や薄香に近いでしょうか。薄いベージュ系のお色になります。
裾にいくにつれ薄鼠のような薄いグレー系のお色を染めておりますので、合わせやすいお色になります。
【コーディネートのしやすさ、便利さ】
柄がなく、透け感も強すぎませんので、着物との相性や、場面などをあまり考えず、「さっ」とこの季節の当たり前のような感覚で、手をのばしてお出かけができるコートになりました。
透け感が強過ぎないということは、長い期間お使いいただけるのもうれしいポイントです。
気温が高くなってきたころから、暑さの残るころまで、「上品」な着姿でお使いいただけますよ。
※お写真は仮絵羽と言いまして、反物を簡単につなげている状態のものになりますので、大きなサイズになっております。実際には、お写真のサイズから、お客様の寸法にお仕立ていたします。
品格重視の薄物コートー薄地色ー
衿の形や、コートの紐の飾りは、雰囲気を左右する大切な部分です。
衿の形はもちろん、
紐の飾りも、良く見かけるタイプとは異なる上品なものをご提案しております。また、小さめが良いなど、お好みをお聞きしてご提案しております。