別注を出したのは、ちょうど昨年の春のこと。
一年と半年の月日を経て、ようやく染め上がってきました。
ちょっと、珍しい羽織ものです。羽織にもコートにもお仕立てが可能です。
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街で、羽織や羽織コートを着ていらっしゃる着物姿の方をお見かけすると、衿から帯にかけた流れるような線が、どこか美しくカッコよくうつります。
旅館の女将さんなどは、とにかく羽織ものをたくさん持っていらっしゃいます。
少しかしこまった雰囲気になりますね。
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初釜や新年会、観劇、日々のお出かけのなか、羽織ものは着物の上に羽織ることを考えれば、着物や帯以上に、手を抜けない大切に考えたいアイテム。
素敵だけど使えるもの。奇抜でないけど、なにかちょっとひねりがあるもの。着るのが楽しみになる。そんな羽織ものがあったら、素敵ですね。
【05つの魅力】
こちらの羽織もの。着物を良くご存知の方であればあるほど、「珍しい」とお分かりになる羽織ものになります。
その魅力を5つにまとめてみましたー
【魅力01】本加賀友禅ながら、加賀五彩を使わず
加賀友禅というのは、見れば、加賀だと思わせるような色合いが特徴です。
それは、加賀五彩ともよばれ、臙脂・藍・黄土・草・古代紫。
これらの五彩のお色を使わず、単彩で染めてもらいました。
本加賀友禅でありながら、これは、とても珍しいことで、仕入れ品では手に入れることができ無いものになります。
一見加賀とは分かりづらい。でも、京都でもなく東京でもない。
加賀友禅なら、これは別誂えのお品だわ。と、着物を良くご存知の方であればあるほど、珍しいお品であることにピンとくるのです。
一方で、先日インスタにてこちらの商品を紹介したのですが、ここまで詳しいことは綴らなかったのですが、
それでも、お写真からは、「気になります」「着物のことは何もわからないけれど、これ好き」「素敵」と何人かの方から、DMをいただき、詳しくお伝えしなくても伝わる魅力があることを改めて感じたのです。
【魅力02】 淡彩な色使いは、魅力的な構図と染めがあればこそ。
淡彩な色彩の場合、色数を抑えることで、使いやすさを実現しますが、淡彩な染めを依頼するときには、構図と染めが鍵となりますから、下絵から起こして描いてもらいました。
この背中に流れるような大胆な構図がとても魅力的で、しかも、淡彩でもあるため、華やかながら、気張りすぎず、染めの良さが加わり、上品でやさしい雰囲気です。
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【お色】
お色は、亜麻色とでも言いましょうか
ベージュよりも薄茶色っぽい、やさしいお色。主張しすぎない合わせやすいお色を選びました。
そうすることで、下に着るお着物も選ばない使いやすさもあります。
【魅力03】 前と後ろのギャップ♡
そして、前は無地なんですよ。
柄は、「左の袖の後ろ」と「背中のみ」なんです。
着物とも合わせやすく、また、羽織にも、コートにも、どちらにもお仕立てが可能となります。
柄のモチーフは何だと思われますか?
実は、「雪柳」なんです。
言われて初めて「!」と分かるくらいかと思います。季節感が出て使いづらくならないように、デザイン化してもらいまいした。
流れるようなデザインが、やわらかく、印象的な華やかさなのですが、派手とは違う控えめな華やかさは、良く見ますと、背中の右の花は少し黄色に。
左の花は白っぽく。微妙な違いをつけることで、奥行き感や流れを作り出しています。良くみないと分からない程度にです。こういう細やかなところが女性の作家さんならではのようにも感じます。
【魅力04】 染めのこと。加賀友禅・女流作家第一人者
総手描きであることはもちろん、
ゴム糊でなく、真糊糸目であることが、さらに、やさしい雰囲気をつくります。
そして、加賀友禅の作家さんは、白の胡粉をご自身ですり鉢でひいて、好みの細かさにされます。そのままの胡粉を使わないんです。
細かな胡粉は、なめらかでやさしい雰囲気を作り上げます。
この何ともいえないあたたみのある優しい雰囲気は、手描きによる真糊糸目と、白の花びらに、きめ細やかな胡粉が施されていることによるのでしょう。
切れ味鋭い花の描写ではなく、何ともほっこり愛らしい花々が、匂いたつように染められています。
【華やかな構図・
やさしい雰囲気に染め上げた逸品:加賀五彩を使わない「本加賀友禅」】
〇作 加賀友禅作家 伝統工芸士 矢花博呂美作
〇初代の由水十久に師事し、現在は、加賀友禅の女流作家の第一人者。
〇通常は、糊置きなどは、お弟子さんにお願いする方も多いのですが、すべての工程をご自分で行うため、必然的に、年間の作られる枚数が少ない方になります。また、人気のある作家さんのため、染め上がりに一年半という時間を要しました。
〇お値段は税込み
〇羽織かコートかお選びいただけます。
またコートは衿の形など、ご相談いたします。
〇分からないことなどは、何なりとお聞きくださいませ
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