5月。若葉が本当に美しくて、若いエネルギ―はまぶしすぎます(笑)。
汚れがかなりひどいものを、きれいにしようと思うと、
ある程度の限界があり、方法は大まかに2つになります。
このどちらを選ぶかで、お値段が随分違ってきます。
①できる限り、きれいに汚れを取る方向性。
②染めや箔を置くなどの加工で、汚れを隠す。
どちらにもそれぞのメリットとデメリットがあります。
それぞれを説明し、お客様の考えと、
店の専門的判断とで、
どちらがよりベストなのかを考えることが大切だと思っていますが、
最近、簡単に②の手法を取られるお店や業者がある・・と感じています。
②は、コストが高くなるため、
業者としては②を簡単に進めてくるところもあります。
そういったところに、私たちが作業を依頼することは、ありませんが、
確かにあるのです。
だからこそ、専門店として大事のは、業者に丸投げをするのではなく、
「お客様の考え」と、「汚れの具合の判断」が大事になります。
「この着物なら、ここまで可能」
「この状態は、この作業が必要だから、それならあそこの職人さんがとても上手だ。」etc・・・
だから、佐々木では、②は、本当に、最後の最後の最後の手段です。
着物は、分かりづらい分野なので、不信感の多い業界なのではないかと思うのですが、
だからこそ、下手な小細工は一切しないというのが、店主の考えで、
そういう姿勢を良く理解していらっしゃるお客様からは、
「佐々木さんのことは、信頼している。」とお声を頂きます。
そんなお声を頂くと、ほんとうにうれしくて。
分かりづらいということは、どれだけ誠実にしていても、それさえ、分かりづらくもあるということに通じますが、
見えても見えなくても、まっすぐに。
着物のお手入れも、
お客様の考えや想いに、本当に添うためには、
専門的な「眼」と「判断」と、「まっすぐな心」が大切だと、感じています。