「日本の文化は眼に見えないものを読み取ろうとすること。」
着物は、着るものなので、これが正解というものありません。
だから、お若い方が、着物に、スニーカーを履いて、可愛い帽子をかぶっていたり、
着物の丈をミニスカートのようにしたりして、楽しむのは、愛らしく、それもまた、眩しいです(笑)。
自分の楽しみやファッションとして着るときは、
ご自分の好きな合わせ方を楽しめば良いわけです。
では。年齢を重ねてきたとき。
大切な会に招待されたり、式に出席する。
大切な方にお会いするときなど。
招いてくださった方への礼を重んじたいと思うようなとき、
装いに心を配ることは、
礼儀やマナーを理解し、
精一杯の心配りをしているということに繋がってきます。
「日本の文化は眼に見えないものを読み取ろうとすること。」
(私の好きな言葉で、ある方の本で読んで以来、ずっと頭にある言葉です)
何でもあり。オッケー♪。という気軽さは
愉しいものですが、そればかりではなく、
必要なときには、深みのある装いができるというのも、素敵です。
ところで、根本的な問いです。
結婚式にジーパンで出席するのは、なぜ失礼なのでしょうか?
初宮参りにジーパンでまいるのは、なぜ、ダメなのでしょう?
日本には、晴れと褻の文化が明確にありました。
褻というのは、日常を意味します。
先ほどの話だと、ジーパンが褻の装いです。
そして、大事なことは、
ハレの席に褻を持ちこむのは、
「穢れ」に通じると考えられてきたこと。
少し?だいぶ?(笑)前までは、
初詣に
振袖を着ていくというのも、当然のコトだったのです。
神様にお会いするハレの日ですから。
ハレの日を迎え、そして、また、日常にもどり、頑張る。
ただ、昔から言われてるから、ダメなのではなく。
ダメと言われると、つまらないものですが、
全てには理由があるものです。特に日本文化は、深いので、そんな理由を知っていくのも、楽しいものです。
そして、理由を知ると、すっと、おなかに落ちていき、連綿と受け継がれてきた想いや考えを大切にしたいと思えてくるから不思議です。
最近は、楽しみがたくさんあるので、刺激がいっぱいの方が多いかもしれません(笑)。
または、毎日がドタバタと忙しく過ぎていく。(私は、後者です(;'∀'))
ハレと褻の区別があいまいなのが今の時代。
そんな時代、初詣に振袖で行かれると、とても、目立つかもしれません。
簡単なウールの着物や、小紋、紬でも、十分素敵です。普段、着物を着なくなった時代ですから。
なら、結婚式に、紬はどうでしょうか。
着物を着ない時代だから、とても高価なものだったから、結婚式に、紬でも良いかというと、それは、やっぱり、NGです。
紬は野良着として使われていたものであり、特に結婚式は、招待して下さった方、またそのお相手のご家族など、礼を尽くす場面。失礼のないように、と思うと、自然と紬の選択肢は消えていきます。
今でも、「ハレと褻」をわきまえるべきところと、
ある程度、ゆるく考えるても良い場合とがあるのが、現代かもしれません。
大事なことは、
基本を知った上で、
「相手の方に喜んでいただけるように、着るものを選ぶ。」
そうすれば、おのずと、着るべきものが見えてくるように思います。
もっと、具体的なコーディネートについては、ぽつぽつと書いていきたいと思います(笑)。または、ご相談いただければと思います。♬
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